自己破産をした後に家を買った人の話

自己破産をした後に家を買った人の話

過去に自己破産をした場合、なかなか住宅ローンを組むのは難しいですが・・・

自己破産をした後に家を買った人の話

以前、ブラックリストでも住宅ローンは借りられるかのページで解説をしましたが、本当に自己破産をした後でも住宅ローンを組んで家を買えるのか?というご質問を頂いたので、実体験を守秘義務の範囲内でぼかしてお話したいと思います。ちなみに、一部の方で当サイトのことをご説明し、個人情報を出さない条件で少し具体的な説明を了解していただいている方もいらっしゃいます。

 

ちなみに、管理人は過去自己破産経験者7名の方にマイホームを購入していただいております。

 

なお、このホームページでは具体的な金融機関名は出せないのでご容赦頂ければと思います。

 

では、具体的な実例の前に、【なぜ、自己破産をした方は住宅ローンを借りられないのか?】からご説明します。
個人信用情報のお話を別ページでしておりますが、自己破産の場合、CICとJICCで5年間、全銀協で10年間、情報が掲載されます。そのため、杓子定規に話をすれば10年を経過すればどこでも借りられるんじゃないか?と勘違いが発生するわけです。

ちなみに、都市伝説的に自己破産から7年経過すればOKとか言われることもありますが、7年の根拠は不明ですし、年数の経過だけの問題ではありませんので信用しない方が無難です。

 

あえて勘違い。と言いました。と言うのは自己破産の場合、個人信用情報以外にも情報が開示されるものがあるんです。
それは・・・【官報】です。官報とは簡単に言えば国が発行している新聞のようなものですが、そこに個人であっても破産をすると掲載されるのです。

 

では、官報に掲載されると何がまずいのか?ですが、以前書いた記事で住宅ローンの審査は保証会社がする。と書きました。
その保証会社がその官報に掲載された情報を独自に収集していたらどうでしょう?15年前であろうが20年前であろうが独自に収集している情報まではわかりません。建前の話をすれば法的に許された期間を過ぎた情報をもって、融資をしないという判断は良くないことのように思います。

 

ただ、住宅ローンの審査が否決となった場合、その理由は基本的にわかりません。金融機関がよく言うセリフで【総合的判断で・・・】と言われてしまえば何が原因かは明確にはわからなくなってしまいます。(金融機関の人間からすれば察してよ・・・ということでしょうが。)
と、いうことで破産をすると住宅ローンの審査が難しくなるのです。(特に、保証会社の最大手に近い某○○保証株式会社さんはそういった情報の収集力が半端じゃないです)

 

難しくなるということは可能ではあるということです。前述の情報収集力の強い保証会社を避けるとか、まあ色々方法はあるわけです。

個人の買主さんが保証会社を自分で選ぶことはほぼ不可能です。どこの銀行がどこの保証会社を使ってて・・・とか調べるのも大変ですし、審査の段階で銀行に○○保証は外してくれ!とも言えませんので。
その場合、信頼できる不動産会社の担当者に素直にお話してアドバイスを求めましょう。

 

相変わらず前置きが長いですが、実例をお示しします。

実例@(15年以上前に自己破産をした方)

 Aさんは15年程前に(ご本人の記憶では)自己破産をし、現在はクレジットカードも使えているし車のローンも組めている状態でした。ほぼ大丈夫だろうと判断し、家を探していたところ、気に入った家が見つかったそうです。その家を買おうと、私のところに来る前に、他の不動産会社(B社)で事前審査をしました。

B社にも自分が過去自己破産をしたことを素直にお話し、それが15年程前だから大丈夫!と言われたそうです。

 

 新生活を夢見てワクワクしていたそうですが、結果は否決。住宅ローンは借りられません。と言われてしまいました。

 

 一時はあきらめてしまっていたAさんですが、その家のことが諦めきれず私のもとに訪れました。
 そこでAさんから事情をお聞きし、B社から提案された銀行の使う保証会社は自己破産情報の情報収集能力が最も高いと考えられ、かつ、その点に最も厳しい保証会社でした。その旨ご説明し、違う保証会社と提携している金融機関を3社ご紹介しました。

 

 ちなみに、前述の通りAさん。車のローンもかなり残っていましたので・・・3社すべてが可決するのは難しいだろう。と事前にお話はさせていただきました。

 

 結果、2社が満額承認。1社が減額承認ということで、無事に新居をご購入いただきました。

実例A(9年前に自己破産をした方)

少し珍しい例ですが、9年前に自己破産をした方のお話です。

 

事業に失敗してしまい、自己破産をした人でしたが、バイタリティに溢れる方で倒産後、就職した会社で一定の地位についておられました。もちろん、年収もその方の年齢水準からすると高かったです。

 

自己破産から9年ということで、あと1年待とうかと思っておられました。私も実はそれをお勧めしました。

 

ただ、「まあ1件だけ通してみようよ!」というお客様の希望もあり、事前審査をすることにしました。

 

そうなってくると私も、あわよくば・・・という気持ちが芽生えますので、色々と金融機関を模索しました。
すると、その方の条件的に1つだけ通るかも?と思える金融機関がありましたので、事前審査を通しました。

 

結果は見事にOK!のお返事。早速家探しを進めていき、3か月後に気に入ったお家を見つけてご購入されました。

 

ちなみに、その通るかも?という金融機関ですが、
@お客様の年収が高く、年収に対する借入額の倍率が低かった(約4倍)
Aお勤め先が比較的大きな会社だった。
という点を重視して頂きました。

 

また、実はその金融機関は条件によってはCICと全銀協を開示しない。つまりJICCの開示のみということで、5年以上経過していたので破産情報は確認しなかったのかと思います。