住宅ローンの借入可能額って、一言で言いますが、実際には【いくらまで借りることができるのか?】という点と【いくらなら返していけるのか?】という点の2点で考えなければいけません。
例えば、5000万円まで借り入れはできる人が実際に5000万円借りて返していけるかどうかは別問題ですよね?両視点からアプローチして借入希望額を考えたほうが良いと思います。
このサイトはFPとしての視点はあまり見ていません。実際にお客さんにアドバイスするときは、当然のことながら家族構成や将来の展望(子供を増やす予定があるかどうか?)も含めて話を聞いてからアドバイスしています。が、前置きは短めにして実際いくら借りることができるのか?を簡単に知る方法・・・あります!
幅を持たせて言わさせていただきます。
年収(税込み)の7〜9.9倍です。
よく聞く返済比率(年収の30%とか35%等)に収まっているのであれば、一応住宅ローンの審査は通るわけです。
他に借り入れが一切ないことが前提条件となりますが、2022年10月現在、地方銀行ではこのくらいが相場です。ちなみに、9.9倍借りると金利・保証料の条件が非常に悪くなります(笑)で、当然のことながら金融機関によってこの倍率は変わってきます。
例を挙げてみます。上の理論で考えると税込み年収400万円の人が借り入れできるのは、最大で約4000万円です。(9.9は面倒なので10で簡易的に計算)
4000万円を変動金利0.5%で35年返済・ボーナス払いなしで計算すると月々の返済額は103,834円
年収400万円だとボーナスの額にもよりますが、手取りでざっと25万円くらいですかね?そうすると半分とは言わないまでも、月収の40%以上が住宅ローンの支払いにまわります。残りは約14万円。夫婦2人なら暮らしていけないことはないでしょう。ただ、子供がいたらアウトですよね・・・?これでは完全に破綻予備軍となってしまいます。
借入可能額は一応知っておく程度にしておいて、逆のアプローチも検討します。
これからの支払いと生活を考えると、こちらのほうが試算として無難だと思います。で、アドバイスとしては@今の家賃と比較する方法(今の家賃より下がるのがベスト)A実家とか親と同居で家賃がない場合、楽に支払っていける金額から計算です。
これについては、管理人の技術不足もありまして計算できるものを入れたかったんですが・・・エクセルで計算したものを表にまとめましたので、近い数字を参考にざっと計算してみてください。
まずは、月々7万円想定
計算金利 | 借入期間 | 月々支払い可能額 | 借入可能額 |
---|---|---|---|
0,50% | 35年 | 70,000円 | 約2696万円 |
0.65% | 35年 | 70,000円 | 約2628万円 |
1.50%(フラット35想定) | 35年 | 70,000円 | 約2300万円 |
次は1万円増やして8万円想定
計算金利 | 借入期間 | 月々支払い可能額 | 借入可能額 |
---|---|---|---|
0,50% | 35年 | 80,000円 | 約3080万円 |
0.65% | 35年 | 80,000円 | 約3000万円 |
1.50%(フラット35想定) | 35年 | 80,000円 | 約2620万円 |
切りのいいところで月々10万円で想定
計算金利 | 借入期間 | 月々支払い可能額 | 借入可能額 |
---|---|---|---|
0,50% | 35年 | 100,000円 | 約3850万円 |
0.65% | 35年 | 100,000円 | 約3755万円 |
1.50%(フラット35想定) | 35年 | 100,000円 | 約3270万円 |
参考までに返済期間を5年短縮して30年にしてみます。(10万円の支払いで)
計算金利 | 借入期間 | 月々支払い可能額 | 借入可能額 |
---|---|---|---|
0,50% | 30年 | 100,000円 | 約3342万円 |
0.65% | 30年 | 100,000円 | 約3269万円 |
1.50%(フラット35想定) | 30年 | 100,000円 | 約2900万円 |
ざっとですが、1万円返済額を変えると約380万円ほど借入可能額がかわってきます。5年返済期間を変えると約500万円(0.5%の場合)変わってきます。(驚)
実際にご自身で計算をするときの参考にしてください。
最後に、老婆心的アドバイスを・・・
月々の返済可能額から逆算して借入額を決める場合、計算金利はフラット35以外は今後の金利上昇を見越したうえで、返済可能額に余裕をもって計算してくださいね。せっかく買った大切なマイホームを手放すことになりかねませんので!